独占インタビュー

“掟破り”で師匠が猛反対…「豚骨魚介」にかけるアツいこだわり

こんにちは!ラーメンインタビュアー岡崎美玖です。

今回ご紹介するのは、旨味が詰まった毎日でも食べたくなる豚骨魚介ラーメン。

豚骨魚介ベースのラーメンといえば、「こってり」「濃厚」というイメージが真っ先に湧きますが、どこか品のある優しさがギュッと詰まった無化調の豚骨魚介ラーメンがあるんです。

早速ご紹介していきましょう!

ミシュランにも選ばれた「RAMEN GOTTSU」へ

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練馬駅から徒歩5分ほどのところにある「RAMEN GOTTSU」

ミシュラン「ビブグルマン」に2015年から6年連続で選出され、さらに「食べログ百名店」にも2年連続で選出されている実力店です。

外観はカジュアルモダンな雰囲気でとてもお洒落…!!
中に入ってみると、至る所に店名でもある「RAMEN GOTTSU」の文字が。

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店主である齋藤さんの友人であるデザイナーさんが作られたというこの素敵なロゴ。実はこの店名には、ある意味が込められていたのだとか…!(後半のインタビューで話しているので、ぜひ最後まで読んでみてね)

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全体のメニューはこんな感じ。

今回は「GOTTSUらーめん(980円)」をいただきます!

Wスープのふくよかな香り漂う「GOTTSU らーめん」

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いざ、着丼です。

麺の上には、ネギ、メンマ、二種のチャーシュー、海苔、味玉、柚子、そして別皿でミニ辛肉玉がトッピングされています。

この辛肉玉は、豚肉に数種のスパイス・カシューナッツなどを炒めたという味変トッピング。途中からじっくりスープに溶かしていくことでコク深さが増し、辛旨スープに早変わりしちゃう素敵アイテム…!!!

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このラーメン、実はスープが主役。

「基本的に背脂や鶏油は一切使わず、油で作るドロドロ感ではなくて肉や骨の油で濃密さを出しています」と話す店主の齋藤さん。

一口飲んでみると、クドさの一切ない自然なコク・甘みに驚き。どこか品のある優しさがあって永遠に飲み続けられる…!!確かにこれは濃厚というよりも濃密という表現がぴったりなスープ…!!!

ちなみに魚介豚骨系ラーメンの中ではかなり油が少ない方なのだとか。

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麺は、スープを引き立てるために小麦の味が強くないものを使用。

こだわりの詰まったスープをしっかりと持ち上げ、噛むたびにパツパツとした食感がやみつきになる…!!夢中で麺をすすっていると、いつの間にかスープがほぼなくなる現象に名前をつけたい。

「食感をメインにし、特徴のない麺を特注で作っています」と齋藤さん。

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2種類の焼豚は鶏・豚を使い、大判サイズの豚は肩ロースを使用。
ローストした上でスモークをかけて仕上げているそうで、柔らかくて歯がスッと入る筆者好みの焼豚…!!

ごちそうさまでした!

【独占①】「挫折ばかり」の人生を一変させたラーメンとの出逢い

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元々は別業種に携わっていたという店主の齋藤雅文さん。

服飾専門学校を出て、東京の大手アパレルを何社も受けるも不採用が続き、「好きなお店で働けないならしがみついていても仕方ない」という思いから異業種に進むことを決意。
「当時ラーメンフリークというわけでもなかった」と話す斎藤さんがラーメンにのめり込んだのには、あるラーメン店との出逢いがきっかけだったそうで…!?

ーー元々ラーメン業界に入るまではどんな経歴をお持ちだったのですか?ラーメンに虜になったきっかけもぜひ聞きたいです。

「元々小さい頃から親が共働きで、料理が好きだったので飲食に携わりたいなと漠然と考えていました。中でも居酒屋に興味があったので、まずはお酒を学ぼうと大手の酒屋で働きました。ですがお酒の膨大な数に圧倒されてしまって…。もう挫折ばかりでした。

その後運送業に6年間携わり、主にバイク便を担当していたのですが、色々な場所でお昼休憩になるんですよ。配送先次第でどこが休憩になるか毎日わからなくて。

休憩でラーメンを食べた時に、色々な場所で違うラーメンが食べられることが面白くなっていったんですよね。そこからどんどんハマっていって、雑誌を見て調べたり、最終的にはどこで休憩になってもいいように自分で「行きたいラーメン屋リスト」を場所別に作成していました。」

ーー中でもハマったラーメンはありましたか?

「中でも魚介豚骨系にハマっていた当時、落ち着いていてかつスタイリッシュな雰囲気の渡なべ』に惹かれました。

ちょうどバイク便の仕事をしながら「これから何しよう」と将来のことを模索していた時期で、「ラーメン屋もいいな」と思っていたタイミングだったんです。

(働くとなっても)頭にタオルを巻いて長靴を履くスタイルは嫌だったのですが、『渡なべ』は食べに行った時店員さんが金髪とロン毛だったんですよ!(笑)ここは自由な会社なんだなーって思いましたね。味はもちろんですが、店の雰囲気が決定打となり、ここで働きたい!と思いました。」

【独占②】惚れ込んだ『渡なべ』での師匠との出会い、そして独立へ

ーー数ある飲食の中でも、『渡なべ』のラーメンとの出逢いがきっかけでラーメン業界に…!!実際にラーメン業界に入られてどうでしたか?

「居酒屋さんを昔やってみたいなと思っていたけれど、あれもこれも作らないといけないのが性格上合わないなと思ったんですよね。ラーメンは一つのものを美味しく作れば良い。1つちゃんとしたものを作りたいという思いから、ラーメンって合っているのでは?と思ったんです。

純粋な”好き”が高じて実際に『渡なべ』に入ってみたら自家製麺であったり、考えてみると本当にラッキーでしたね。3年半『渡なべ』で修業して独立し、現在に至ります。」

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(取材中ふと、ゴッツいラーメンが好きで店名をGOTTSUにしたのか…?と思い聞くと、「実は当時はもっと太っていて「GOTTSU(ゴッツ)」はあだ名なんです。ダサいけどわかりやすくていっか!って」と話す齋藤さん。)

ーー当時から独立は考えていましたか?

「本当に素人から始めているので、当時は独立すら考えていなかったんです。

ただ、店主の渡辺さんが放任主義でスタッフにいろいろ任せてくれる方だったので、どんどん自分でできるようになっていって。

未経験の人が”3年半で独立”は短い方だと思うのですが、最初はただただ楽しくて、探究心から「仕込み見せてもらってもいいですか?」とか、休憩中に「麺打っているところ教えてもらってもいいですか?」とか聞いていたら「やる気あるね」と言われて(笑)

そこから限定メニューの開発やプロデュース業なども携わらせてもらううちに「自分でもできるかも」と思うようになったんです。

働いて2年ほど経ってから自信や独立願望が出てきました。」

【独占③】師匠の掟を破ってでも勝負したかった「豚骨魚介」

ーー今の味ができてから、渡辺さんは食べに来られましたか?

「来られました。怒ってました。」

ーーえ!?!?なんでですか!?!?!

「基本的に『渡なべ』出身の人ってパパパパパインとか五ノ神製作所とか、ぶっ飛んでるって言ったらアレですけど(笑)、比較的ちょっと変わってるラーメンが多いんですよ。というのも渡辺さんが「弟子たち、面白いこと(斬新なこと・最先端なこと)やってよ」というスタンスなので。

なので、このラーメンを食べられた時は「えっ何これ渡なべと一緒じゃん!ダメだよこんなの」みたいな反応を受けましたね。ダメって言われてももうオープンしちゃいましたよ、みたいな(笑)」

ーーそんなことが…!!変わり種で独立される方が多い中で、それでも「渡なべ」と同じベースで勝負していこうと思ったのにはどんな思いがあったんですか?

もう単純に好きだったんですよね。この魚介豚骨っていうのが。

でも『渡なべ』が好きでずっと賄いなどでも食べていた中で、だんだん「ヘビーだな」と感じるようになってきて。毎日食べても重くならないような優しい魚介豚骨を作りたいなと思うようになってきたんです。

そこから、今のラーメンは『渡なべ』よりももっと軽くて食べやすいラーメンを目指しました。尚且つ、魚介豚骨って塩味のもとが醤油なのか塩なのか、何味かわからないような複雑さが嫌だったので、醤油感がわかりやすく出る魚介豚骨ラーメンを目指しました。

…でもどこか『渡なべ』に対するジレンマというか、できる限りオリジナリティを出すために、例えばトッピングは豚バラじゃなくて豚肩ロース、焼き方は煮豚じゃなくてローストにしていますね(笑)」

ーーちなみに、齋藤さんから見た渡辺さんってどんな印象なんですか?

「基本的に『寡黙』ですね。あと、『若くて我が強い』です。」

ーー今後の展望はありますか?

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「自分も結構色々なラーメン屋さんを食べに行くのですが、ずっと変わらないラーメンはダメだと思うんです。

多店舗展開は考えていませんが、店としてもっと大きくして、もっと沢山の人に来てもらって、もっといろんな世代の人に来てもらって、喜んでもらいたいなと思います。そのためにも雨の日でも風の日でも「ラーメンが食べたい」と思ってもらえるような、より美味しいラーメンを作っていきたいと思っています。」

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