独占インタビュー

”ラーメン×油揚げ”。個性の光る一杯に込められた意味

こんにちは!ラーメンインタビュアー岡崎美玖です。

今回ご紹介するのは、ほんのり甘〜い油揚げがのった中華蕎麦。

お揚げが乗った麺といえば”きつねうどん”が真っ先に思い浮かびますが、そのお揚げをラーメンにトッピングするのは前代未聞な味…!!!!!ワクワクが止まりません。

早速ご紹介していきましょう!

オープン後すぐに話題沸騰!『中華蕎麦きつね』

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(※以前の写真です。現在は営業時間11:00~19:00(平日)、11:00~16:00(土・日・祝)、不定休となっておりますのでお気をつけを。)

京王線芦花公園駅から徒歩約30秒のところにある『中華蕎麦きつね』

開店してまだ1年ほどですが、TRYラーメン大賞新人賞3位(2020-2021)を獲得し、食べログTOP5000にも選出。

黒・白・赤を基調とした和テイストな店内は、全て店主・水上夫妻が手がけたものだとか。

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アイコン的存在である「狐」は奥様である那々子さんのデザインだそう!可愛い…

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全体のメニューはこんな感じ。清湯系と白湯系の二種類で展開されています。

今回は「中華蕎麦(850円)」をいただきます!

お揚げの存在感に圧倒される「中華蕎麦」

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いざ、着丼です。

麺の上には、ネギ、三つ葉、チャーシュー、ほうれん草、なると、そしてお揚げがトッピングされています。

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透明度の高い魚介を中心とした柔らかな香りに包まれながら、それではいざ一口…

うおおおお、スープがあっつあつ!

「魚介とお揚げの油に覆われているため、スープが冷めにくくなっているんです」と店主の菜々子さん。飲んだときはあっさり目に感じますが、後からコクがグイグイと押し寄せてきます。

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透き通ったスープに合わせるのは、三河屋製麺の麺。

シルクのようななめらかさに思わずうっとり。ちゅるちゅるとしたすすり心地が最高です。

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噛めばじゅわ〜っと甘みが口全体に広がってここは天国か?ってなります。
全く嫌な甘さじゃなくて、上品な甘さで本当に美味しい…!

実はこのお揚げを乗せるために味の完成に至るまでかなり苦労したのだそうで…?(後半のインタビューで話しているので、ぜひ最後まで読んでみてね)

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そして、追加でもう一つのお目当ての「稲荷寿司(250円)」を。

えッッ・・・・?稲荷寿司が黒い・・・・????

実はこの稲荷寿司、誰もが驚くであろうインパクトのある見た目でオープンしてすぐにインスタグラムなどで話題に。見たことのない真っ黒な稲荷寿司に衝撃を受けながらもいざ食べてみると…

「え、美味しい…!!!!」

なんと墨で色をつけているそうで、腸内環境を整えるデトックス効果があるのだとか。

ご飯の中にもチャーシューがゴロゴロ。そしてなんとこの黒稲荷は、先にも紹介した店内カラーの黒・白・赤を一皿にまとめたものだとか…!(お皿→ 外観の白い壁、紅生姜→暖簾黒稲荷→看板など。凄い…!)

見ても楽しく、食べても楽しく、最高の一品でした。

ごちそうさまでした!

【独占①】パティシエ志望からラーメン業界への挑戦

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『中華蕎麦きつね』店主の水上辰徳さん・那々子さんご夫妻。お二人で共同経営という形で切り盛りされているのですが、今回那々子さんに独占インタビューの許可を頂き、色々とお話をお伺いしてきました!

ーー元々ラーメン業界に入ろうと思って行動されていたのですか?

「20歳くらいの頃から将来的に独立したい・お店を出したいという願望があって、今だから言えるのですが、実は元々パティシエになりたくて洋菓子店で働いてました。そのために上京して専門学校も行ったのですが、いざ実際に働いてみると自分には合わなかくて辞めてしまったんです。挫折です。

辞めた後は4つ同時にアルバイトを掛け持ちしました。当時洋菓子以外のことを何も知らなかったので、辞めたと同時に一気に朝から晩まで詰め込みました(笑)カフェ、イタリアン、鰻屋…そして4つのうちのラーメン屋で、今の旦那と出会ったんです。そこからラーメン一筋で様々なお店で修業を積みました。

24歳の時に結婚して、「(自分が)30歳の時にオープンしよう」という目標を立て、目標額として800万円を設定しました。結婚式もせず、ご祝儀も全て開店資金として貯め、無事資金を貯めて念願のオープンを迎えることができました。」

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(オープンしてすぐ、私も実は食べに行きました)

ーーオープンしてからすぐの3月には、政府から初の緊急事態宣言の発令もあったかと思います。

「オープンして1ヶ月は本当に遠方から来てくださる方も多かったのですが、自粛中は近所の方々が沢山来てくださいました。新店としてメディアに取り上げて頂いた撮影がすでに終わっていた時期で、ちょうど自粛期間中とテレビ放映の時期が重なったんです。」

ーーなるほど!自粛期間中だとみんなテレビ見ていますもんね。

「芦花公園駅周辺が住宅街なのですが、(お店は)駅から一つ裏に入るので意外と目立ちにくい場所で…知らなかった方達がテレビを見て「こんなところにらラーメン屋があったのか!」と、足を運んでくださったことが続いて、落ち込みそうになりながらも救われました。

ーー最初から「ラーメンにはお揚げをトッピングしよう」と思って作っていたのですか?

印象に残る一杯にしようと思い、お揚げを乗せてそこから(お揚げに合うように)寄せていきました。

…が、これがかなり苦戦しました。

甘くなりすぎたり、逆にしょっぱくなりすぎてラーメンとバランスが合わなくなったり…。お揚げが甘めなので甘みのある野菜を減らしたり、醤油が立つようにしたりと、バランスよく作るのが難しく試行錯誤しましたね。現在はやっと優しめな味付けに落ち着きました。

店名も、このきつね(お揚げ)が由来です。」

【独占②】『渡なべ』で学んだラーメン作りにおける「意味」

ーー以前は『渡なべ』さんで修業されていたそうですが、私が大学時代に渡なべさんに行った時に女性1人でワンオペ営業されていた時があって…それってもしかしてなんですけど…

「あ、多分それ私ですね(笑)」

ーーええ!!!!!やっぱりですか!!!!(驚愕の事実)

「『渡なべ』には3年ほどお世話になったのですが、女性でお店に立たせて頂いたのは初めてだと(『渡なべ』店主・渡辺樹庵さんに)教えていただいたので…女性がいたとしたら恐らく私です(笑)結構お客様の中にも、『渡なべ』の常連さんが凄く多くて、嬉しいです。」

ーー『渡なべ』さんから学んだもの・吸収したものが丼の中に活かされていたりしますか?

「ラーメン作りに関して凄く刺激を受けました。

『渡なべスタイル』ではご当地ラーメンを作る(インスパイアする)ことが多いのですが、「〇〇のラーメンみたいなラーメン」を作って〇〇に寄せるときに、「美味しければいい」というわけではなくて、盛り付けも敢えてぐちゃっとしてみたり…本当にインスパイアするラーメンと全く同じものを作るようにするんです。その作っている工程などを聞いたり見ていて、

「ラーメン作りには美味くていいものを作るのではなくて、作り手の想いやトッピングとの意味も必要なんだ」

と凄く勉強になりましたね。

よく口コミサイトで「もっとこうしたらいいのに」という意見を自分たちの作るラーメンに対しても、他のお店のラーメンに対しても目にすることがあるのですが、「あえてそうしている」ところがあると思うんです。」

(深い…)

ーー今後の展望は?

地域に根ざしたお店にしたいと思っています。色んなことに手を出さず、細く長く、お店を続けることができればなと思っています。」

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