こんにちは！女子大生ラーメンライターの岡崎美玖です。
今回ご紹介するのは、鶏と水だけで炊いた上品で繊細な至極の醤油ラーメン。
思い出してみれば筆者が初めて食べたあの日ーーこれまでに味わったことのない、雑味のないスープの上品すぎる旨味に衝撃を受けた記憶が記事を書きながらも蘇っております。
早速ご紹介していきましょう！
至極の醤油ラーメンを求めて「ラーメン屋 トイ・ボックス」へ
日比谷線三ノ輪駅、都電荒川線三ノ輪橋駅から徒歩２分ほどのところにある、「ラーメン屋 トイ・ボックス」。
店名の由来は、子どもの頃に好きだったロボットが入っていたおもちゃ箱から名付けたのだそう。また、お気に入りのおもちゃ箱を開けた時の「ワクワク感」を感じもらえたら、という店主の山上さんの想いが込められているのだとか。
「ミシュランガイド東京」ビブグルマンに5年連続で選出されており、食べログ「ラーメン百名店TOKYO」にも2017、2018、2019と３年連続で選ばれている実力店です。
全体のメニューはこんな感じ。
今回は「醤油ラーメン（850円）」をいただきます！
全ての素材が美しく、洗練された「醤油ラーメン」
いざ、着丼です。
琥珀色のスープに浮かぶ、正方形にぴっちりと整えられた麺。なんと美しすぎるビジュアルでしょうか・・・！
麺の上には、チャーシュー、葱、穂先メンマがトッピングされています。
スープに使っているのは、なんと鶏と水のみ。
後半のインタビューで明らかになりますが、素材にとことんこだわったスープは、一口飲めば全く雑味のない醤油ラーメンのクオリティにきっと驚くはず。
まろやかな醤油と鶏が見事に融合され、旨味を凝縮させたスープのレベルの高さに、いつ来ても何度来ても毎度衝撃を受けるオカザキであります。つい「…うんまあ〜〜〜〜〜」って声出ちゃいます。これほんと。
麺は、大成食品製の中細ストレート麺。
コク深い鶏と醤油のスープがしっかりと絡んだ麺は、ちゅるんとした気持ち良い啜り心地とのど越しが堪能できます。もう何とも言えないくらいに啜ることに夢中になるんですこれが…！！！
程よいレア感に包まれた豚ロースは、希少種であるガリシア栗豚を使用。
超しっとりとしていて味もしみしみ。大判サイズなので食べ応えも抜群です。
スープ・麺・具材の全てが洗練され、最後まで幸せたっぷり…うん、今日も生きてて良かった。
ごちそうさまでした！
【独占①】「使うのは鶏と水だけ」衝撃を受けたあの日から人生が変わった
家系ラーメン発祥の地である横浜出身で、一ラーメンファンでもあり食べ歩きを行ってきたという「トイ・ボックス」店主の山上さん。
「TRYラーメン大賞」醤油部門にも2019、2020と2年連続で第２位にも選ばれた実力店ですが、今でも研究が終わることはないのだそう。そんな「トイ・ボックス」の魅力についてとことん聞いてきました！
ーーなぜラーメン職人の道に進もうと思ったのですか？
「元々営業会社に勤めていました。31歳の時、仕事で怪我をして自宅休養をしていた時に、このまま自分のやりたいことをせずに死ぬのはどうなのか？と思い悩むようになりました。ラーメンで生活するにはどうすればいいのかと色々考えた結果、「作る人になれば365日ラーメンと一緒だ！」という考えに至って（笑）。当時相模原にあった「ラァメン家 69’N’ROLL ONE（現：らぁめん矢 ロックンビリーS1）」の嶋崎店主に「手伝ってもらえないか」と声をかけて頂いたことをきっかけに、その日の朝、会社に「辞めます」という旨の電話を入れ、ラーメン業界に足を踏み入れました。」
ーー嶋崎氏とはどんな出会いのきっかけがあったのですか？
「（嶋崎氏の）お店によく食べに行っていたんですよ。ラーメンは好きで結構食べていたんですけど、当時は家系ラーメンや二郎ラーメンなどが僕の中では主流だったんですよね。そんな中、嶋崎さんのラーメンを食べた時に「鶏と水だけでこんな凄いラーメンができるのか！」と衝撃を受けて…。自分もいつかお店をだすなら「鶏と水」で勝負したいと思うきっかけになって、毎年少しづつマイナーチェンジをしながら現在もラーメンを作っています。」
【独占②】こだわり抜かれた厳選素材
ーーこだわりはズバリどんなところにあるのでしょう？
「スープは、鶏と水のみで炊いています。鶏は名古屋コーチン・山水地鶏・川俣シャモといった厳選された5種類の地鶏を使用しています。
水は、逆浸透膜濾過機という不純物を徹底的に取りのぞいた水を使用してスープを炊いています。なので使っている水はほぼ純水です。
（寸胴の中身を見せて頂きました…！もうすでに美味しそう（早い））
（鶏だーーーーーー！！）
ーー醤油にもこだわりが詰まっているとお聞きしました。（作業を見ていると）仕上げに２種類の醤油を使っていましたが、種類が違うのですか？
「タレに６種類の醤油をブレンドしたものを使用し、後から２種類の醤油をトッピングの際に使っています。最初にかけたのは濃口醤油の３年熟成されているものです。非加熱のものなのでスープの熱で火入れしている状態で提供しています。最後にかけているのがたまり醤油で、醤油感の押しだしを強めるために使っています。」
【独占③】「１日１個の疑問を持つこと」
ーー業界に入ると決めてから、人気を博すまでのラーメンを作り上げるまで研究などどれくらいの年月をかけたのですか？
「研究は終わることはないので、１日１個疑問を持つことができればいいなと思っています。失敗も受け入れながら、常に「これは正しいのか」と自分がやっていることには疑問を持つことにしています。」
ーーこれから挑戦したいことなどありますか？
「ここまで製麺所さんが自分のリクエストに対してアンサーをくれるので、必ずしも自家製麺が正解だとは思っていない部分もあるのですが、自家製麺というのは永遠のテーマですね。ラーメンを作り続けていく以上、これから挑戦というよりもずっと挑戦になっていきますね。
また、自分についてきてくれる若い子達に今やっていることを全てきちんと継承していきたいです。」
取材後記
「ラーメンが好き」ーー根底にあるのは誰よりも強いその一心でミシュラン獲得後も日々研究を重ね、渾身の一杯を提供し続ける「トイ・ボックス」。実は開店当初は今の味とは全く異なり、「鶏」はベースであったものの「鶏と水だけ」で作りあげるラーメンは2017年からなのだそう。メニューや味を変えてもなおミシュランを獲得し、客足の途絶えぬ理由が今回の取材を通して感じられました。
店主のラーメンを作る手裁きも全く無駄がない。その美しさに魅了され、完成された最高の醤油ラーメンが味わえます。
トイボックスさんのTwitterはこちら
より店主の山上さんに密着した、まかなインタビューはこちらから！
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