こんにちは!ラーメンインタビュアーの岡崎美玖です。
今回ご紹介するのは、元AKBアイドルが経営するオールラウンダーなラーメン店。
実は、今回の取材先は筆者一押しのラーメン店。アイコンをよーく見ると当店がバッチリ映っています。(ヘッダーのラーメン食べてる写真もだよ)
では早速ご紹介していきます。
女性店主”まゆか店長”の作るラーメンを食べに「麺匠 八雲」へ
小田急江ノ島線「高座渋谷駅」より徒歩5分のところにある、「麺匠 八雲(やぐも)」。
現在本店は、京成本線「堀切菖蒲園駅」から徒歩3分の場所に位置するのですが、今回訪れた大和店が元祖なのだそう。
「八雲という店名は『八つの雲が集まると幸せになれる』という神話からとりました」と話すのは、まゆか店長の愛称で知られる梅澤愛優香店主。
2017年9月、20歳のときに当店をオープン。そして翌年10月に、都内に2号店を開店し、フランチャイズ店として神奈川と東京に『煌龍軒』をオープンさせるなど、なんと22歳という若さで4店舗を経営するやり手経営者です。(筆者と同い年だとは思えない)
追記*2021年現在、北鎌倉に『中華蕎麦 沙羅善』をオープン。
《女性にも嬉しい!》和をモチーフにした落ち着いて食べられる店内
店内に入るとまずびっくりするのがおしゃれすぎる内装。
テーブル席の横には、なんとインテリアとしてつくばいが。
ここは本当にラーメン店なのか!?と思ってしまう、和食料亭のような内装は、まゆか店長をはじめスタッフ総勢でデザインを考えたのだとか。
そして、よく見ると座った時に目の前が磨りガラスになっているのが特徴的。
「私がお客様として食べにいくとき、厨房で作っている人からの目線が苦手で…落ち着く雰囲気で食べてもらえるよう、磨りガラスにこだわりました」と話す、まゆか店長。
「ラーメン屋さん」というとタオルを巻いたがっつりした人が出てくる…そんな印象もあると思いますが、着物での接客を行っていたり、「和」の雰囲気に包まれた空間の中でゆっくりと食事を楽しむことができます。
これは女性にも嬉しいポイント!
北海道にスポットを当てた豊富なメニュー
味噌ラーメンを中心としたメニューは、ご覧の通り。
豊富なラインナップにびっくり!
今回は、看板メニューの「味噌ラーメン(800円)」を頂きます。
どこかホッとする、「麺匠 八雲」の味噌ラーメン
着丼です。
麺の上には、チャーシュー、もやし、九条ねぎ、メンマ、糸唐辛子がトッピングされています。
形、デザイン共にオリジナルだという『八雲オリジナル丼』にもこだわりが。味噌ラーメンのスープは、水質量が少なく熱が冷めやすいことから、冷めにくくする為に丼の層を厚めにしているそう。(実際に最後まで冷めずにスープが楽しめました!)
ベースとなるスープは、中火でじっくりと炊くことにより出来上がる透明で黄金色の清湯スープ。
旨味と甘みの強い北海道産羅臼昆布、脂質が少なく上品な旨味のある宮崎県産潤目鰯、塩分が少なく上品なダシが出る北海道産スルメイカ、甘みがあり低脂肪の静岡県産美味鶏…など約20種類の厳選した天然素材から成り立っており、全てのラーメンの味に使用され、これに「タレ」が加わり3種の味に変化していきます。
今回頼んだ「味噌ラーメン」には味噌タレが加わり、5種類の北海道味噌と信州味噌がブレンドされています。そこから味に深みと甘みを加える為に1ヶ月寝かせて熟成させているのだそう。
いざ、実食。
一口飲んでみると、どこかホッとするような味わいの味噌に思わず顔がほころんでしまった筆者…
脂はゴテゴテとしておらずあっさり系のスープ。ですがコクがしっかりと感じられ、大きな中華鍋で炎を上げながらしっかりと炒められた野菜の香ばしさもスープの旨味に丁寧に溶け込まれていて感動です。
個人的に、特にもやしの存在感がGoodでした。シャキッともやしで香ばしさが抜群。香りも楽しめる味噌ラーメンだと思います。
ついついもう一口、もう一口…と飲み進めてしまいます。
中太角ストレートの麺は、まゆか店長が朝4時に起きて仕込んでいるという自家製麺を使用。
北海道産の香り豊かな小麦粉を使用し、味噌・醤油・塩の全てのラーメンにおいて一種類の麺で統一されています。麺に合うスープを追求し続けたのだそう。
ムチっとした程よい弾力と力強さが印象的で、コシもあり、これぞ札幌ラーメン!麺も本当に美味しいです。
チャーシューもしっかりと噛み応えがあるタイプで、味が染み込んでいるものの重くないのでパクッといけてしまいます。
【独自①】美味しさの鍵を握る「タレ」は従業員も知らない”完全極秘”レシピ
まゆか店長は20歳でアイドルからラーメン店主の道に転身。
現在のレシピはアイドル時代から自宅で密かに試作を始め作り上げたもので、修行経験はなく完全独学のオリジナルラーメンなのだとか。
もうすぐ23歳の誕生日を迎えるというまゆか店長に、独占取材してきました!
ーーなぜラーメン店主の道へ?
「元々小さい頃からラーメンが好きでした。アイドル活動をしていた当初、この先のことを考えた時に辞めようかなと思った時があって。ちょうど同じ頃、興味本位で始めたことがきっかけで本格的に自宅で試作をしていたラーメンの味に自信がつきはじめ、アイドルを辞めてラーメン店主に転身することを決心しました。」
(写真提供:麺匠 八雲)
ーー家族の中で、全くの別業界への転身に対して反対などなかったのですか?
「両親はやりたいことを後押ししてくれるので、『好きなことをやっていい代わりに、全て自分の力でやりなさい』という方針だったので、反対はなかったです。その代わり、開業資金なども全て自分で貯めました。」
ーーまゆか店長の一番のこだわりはズバリ何でしょうか?
「材料ももちろんこだわりが詰まっているのですが、実はタレにとてもこだわっています。というのも、従業員にはスープの作り方は教えてもタレの作り方は一切教えていないんです。仕込み済みのものを毎朝全4店舗(大和店・本店・煌龍軒相模原1号店・煌龍軒大森店)に配送しています。」
(なんだか、一切造り方を伝授せず名器を残していったというストラディヴァリウスみたいだな)
ーーその中でもおすすめのラーメンはなんですか?
「味噌ラーメンですね。元々味噌ラーメンが好きでお店を始めました。ずっと研究をし続け、味噌の味がやっと安定して来た感じはありますが、今もなお味を変えています。」
ーーなるほど。筆者も味噌ラーメンが一番好きなのですが、ガツン!とくる濃い味の味噌ラーメンが多い中、八雲のラーメンは優しい味わいですよね。
「そうですね。お客様からは『毎日食べても飽きない』と言っていただけることが多いです。〇〇がおすすめ、というよりも、数あるメニューの中からお客様の気分や好みで選んでいただける『万人ウケするラーメン』なのかなと思います。メニューが味噌ラーメンに限らず豊富なのも色々な種類のラーメンを楽しんで頂きたいという思いもあります。
実際に『この間はこの味食べたから次はこっちを食べようか』というお客様同士の会話が聞こえたこともあって。嬉しいですね。」
【独自②】女性店主ならではの苦悩に苛まれた過去
——20代前半の女性店主って珍しいですよね。開店にあたり苦労などはありましたか?
「色々ありましたが、特に業者の方とのやりとりに一番苦労しました。発注したあとに私情目的の会話が挟まれたり、SNSのDM(ダイレクトメッセージ)などがしつこかったりしました…。それまで仕込みから営業、裏方など何から何まで全て一人で行っていたのですが、業務に支障が出てしまうので、現在は営業の窓口は私ではなく他の事務社員さんにお任せしています。」
【独自③】店舗拡大は自分の手の届く範囲で
ーー現在4店舗を経営しているとのことですが、今後も店舗拡大など視野に入れていますか?
「できる限り店頭に立ち、お客様とのコミュニケーションを大切にしていきたいので、自分の手の届く範囲で店舗展開をしていきたいです。なので広げていくにしても、煌龍軒の方を広げていくと思います。現時点で八雲の店舗展開は考えていません。」
ーーお客様とのコミュニケーションという意味ではアイドル活動とも共通する部分がありますよね。
「そうですね。アイドルをしていた事でコミュニケーション能力も高くなって接客も楽しいですし、やはり「美味しかったよ」の一言を言ってもらえると最高に嬉しくて疲れも吹き飛びます。だからラーメン作りを努力し続けられています。」
取材後記
お休みの日は、「ラーメンを食べに行くかディズニーに行きます」と眩しい笑顔で話すまゆか店長。なんとディズニーリゾートラインに2時間乗ったり、一人でも行くほどのディズニー好きなのだとか。
終始とびきりの笑顔で取材に応じてくださって、ひたすらに癒される筆者でしたが、同時に誰よりもラーメンに対して真剣な、経営者としての眼差しがとても印象的でした。
眩しい笑顔での接客も素敵すぎるまゆか店長の手がける、こだわりが細部まで詰まった絶品ラーメン「麺匠 八雲」。是非食べに行ってみてくださいね。
麺匠八雲の公式Twitterはこちら
(一番好きなディズニーキャラクターは『アリエル』。名刺入れもiPhoneケースもアリエルです! byまゆか店長)
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